皆様。こんにちは。
【令和】が始まる前に書き終えたかった「振りかえると」の続きです。
29歳の夏。。
勤めていた『料理屋さん』の社長と店長に、話があると仕事終わりに声をかけられました。「西中島南方の店舗が立ち上げたばかりだが、軌道にうまく乗っていなくて、しかも女将が育休に入ることになったので、田中、応援に行ってほしい」
チャンスだと思いました。新しい町で新しいスタッフと、新しいお客様の出会い。不安はかなりありましたが、行くことに決めました。西中島南方店は料理スペースがカウンターで囲まれている作りだったので、カウンターに座りたい!というお客様が多いお店でした。80人ほどは入れるお店で高槻店よりは小さいお店でした。
高槻と西中島南方を比べると、お客様のタイプが全く「別」でした。単身赴任のサラリーマンの方が多く、色々なタイプのお店が並ぶ中、どうお客様の心をつかんでいくかを、いろいろ考えたのを今でも覚えています。この時に、まず意識したことは、やはり、【自分のことを知ってもらう】です。来ていただいたお客さまには、もちろんのこと、近隣のお店や、会社にもあいさつ回りに積極的にいきました。
夜、お店が終わった後も、ご近所のラーメン屋さん、朝まで営業されている焼肉屋さんに行き、仲良くなり、始発まで自分のお店に泊まることが何度もありました。
半年が過ぎ、お客様に覚えてもらえた頃に社長から、お話がありました。
田中君、いつか店長になるために料理も覚えよう!と言われたんです!
料理人はもともと希望していなかったのでびっくりしたのですが、せっかくのお言葉だったので、次の日から調理場に立ちました。
開店まで、勉強の毎日でした。先輩方の作られる姿を見て、真似する。家に帰って、同じことを復習する。お客様に食べていただくために、料理人が真剣に作る姿はすばらしいと感じました。
ぼくが始めて、お客様に食べていただいた料理、今でも覚えています。それは 【キンメダイの塩焼き】です。よく来てくださるお客様に注文いただき、作りました。初めてお客様の前で作る。。のは緊張です。しかもカウンターから丸見えなので。1匹目は緊張で焼きすぎて、失敗。すぐ作り直し、盛りつけてお客様の元にお出ししました。作ったものを食べていただける喜びは、半端なかったです。
ぼく一つだけ、どうしてもうまくできなかったのが、おにぎり、、でした。同じ大きさに握るのが、どうしてもできなかったです。いつもHさんに教えていただいたのですが、はじめの頃は、お米が熱すぎて握れなくて、よく怒られました。(笑)
つづく、、、